ラジャスタン州の結婚式


ラジャスタンという、インド西部の隣国と接する砂漠の州がある。
その中でも西部に位置する、ジャイサルメールという
砂漠の中に突如として出現したような、かつては交易の中継地点として栄えた町がある。
国境が閉ざされてからは、取り残された辺境の地のようになってしまい、
繁栄していた当時は一体どれくらい活気があったのかは想像するしかないが
今もなお美しいフォルムを残す城砦を見に、現在は多くの観光客が足を運んでいる。
私も砂漠の街に憧れ足を運んだことがある(→ 2007年3月31日4月1日2日3日4日)。


城砦とキャメルサファリ以外は取り立てて見所の無い町だが、
美しい装飾細工の施された建物が建ち並ぶ、
映画のセットのようなコンパクトな城内の雰囲気と、
砂漠によく似合う強烈なまでの月光と文字通りの満点の星空は格別だった。
私のインドの好きな町ベスト3に入る。


そんな素敵なところに住む現地の友人から、
先週あった彼の従兄弟の結婚式のときの写真が送られてきた。
ラジャスタン州の田舎のムスリムの結婚式の新郎。
ラジャスタンのほうは、服やアクセサリー使いなんかが他の州と違っていて独特だ。
日本のインド雑貨などで見かけるものの大半は
じつはラジャスタン州産の工芸品であることが多い。


馬に跨った新郎が伝統的な装飾のかぶりものをして顔を隠している。
花嫁も同様に隠していて、結婚の儀式のときに初めて外されてお互い顔を合わせる。
最近ではそれらがすでに儀礼的なもの、
つまり結婚する前にお互い顔を合わせているというケースもあるようだけど、
このカップルは友人いわく、儀式で初めてお互いの顔を見たとのこと。