インドの結婚事情 続編

インドの結婚事情については先日も触れたが、
私はインド人の“両親によって決められた結婚”について
恋愛結婚のほうが良いに決まってる、とは決して思ってなくて、
むしろ「選択肢が無ければ迷うことはない」という発想でいけば
前者が今でも圧倒的に通用している現実が呑み込めるんである。
…と思ってたんだけど。


同僚の若いインド人男性が、ランチ時にこんなことを言い出した。
僕は結婚するまでガールフレンドとかいなかったんだ、
作ろうなんて思わなかったし、
結婚するときは、両親がいいって決めた相手だったら
その人と結婚するんだって思ってたよ、
大学だって男子校(インドにはそういうのが存在するらしい。)
だったしね。
就職してからは、朝から晩まで仕事仕事、時には徹夜。
遊ぶ時間なんて無かったんだ。
結婚するときは、奥さんの写真も見ずに結婚さ、
だから(初めて会ったときは)この人誰?って感じだったよ(笑)。
でも(結婚して)今、結婚する前にもっと他を見とけば
良かったって気づいたんだ!でももう遅いよね〜。


…ちょっぴり衝撃的なインド人若者の生の声、
たしかに、
そういうふうに考えたりしないのかな、と
前々から疑問に思ってはいたけど、当人からそのような
率直な気持ちを聞いたのは私は初めてだった。


ちなみに彼は28歳、結婚2年目くらいで生まれて数ヶ月の
赤ちゃんがいる。
頭が切れるし背が高くてなかなかの男前、
収入もまあまあ良い、(というか私より良い)
彼女なんて作ろうと思えば苦労しなそうな人だが
案外と真面目というか遊んだことのないような様子で
ちょっと意外な感じがした。


彼によると、恋愛結婚するとなれば親戚中が
「恋愛結婚だって?!」って何か「事件」でも起きたみたいに
なるんだそう。
そしてインドでは、恋愛結婚は親子喧嘩の後に
よくあることなんだって、これって面白い。
すなわち、

親子喧嘩→息子家出→別居→彼女できる→結婚

という図式。なんか単純に絵を想像してちょっと笑える。
それは日本の大学生の1人暮らしと状況が似てるねーと
話すと、彼が、
日本じゃ勉強して奥さんも連れて帰るんだね!と笑っていた。


ちなみに、これまた初めて聞いたんだけど、恋愛結婚は
両親が決めた結婚よりも儀式が簡略化されるために
たくさんかかるはずの結婚費用(多くを花嫁サイド負担)が
うんと安くなるらしい。なんだそれ。
しかしそれでも、お金がかかってもやっぱり
Arranged Marriageのほうがいいのだ!という
娘を持つ父親の思いやら価値観が、
インドの結婚事情に表れているような気がするんである。