オールド・グルガオン

うちの周りは一帯が広大な住宅街で、とにかく買い物に困る。
どこに行けば最寄りの大きなマーケット(市場)があるのか、
みんなどこで買い物して豊かな生活を送ってるのか…。
それで、先日、
会社の運転手に聞いたら、
オールド・グルガオンに行くといいと教えてくれたので、
以来ずっと気になっていたけど行けずにいた
オールド・グルガオンというエリアに昨日行ってみた。


オールド・グルガオンとは
地名どおり、もともとあるグルガオンということで、
私が住んでいる、わりと近年栄えだしたエリアに対する呼び方だと
思われる。


いつもより若干仕事が早めに終わったので、
大体の場所を運転手に聞いて
会社帰りに乗合いのオートリクシャに乗って行った。
いつも行ってる大型スーパーマーケットの前の道路を通過して
さらに数キロ走ると
区間運行の乗合いオートから客が皆降車して行った。
終点だった。
運転手に「オールド・グルガオンに行きたいんだけど」と尋ねると、
ここがグルガオンさ、と彼が言った。
彼にマーケットの場所を聞き、てくてくと歩いて行くと、
なるほど、次第に商店の数が増え、
最初に見つけた薬局で、
うちのオフィス前の小さな薬局では売ってなかった
愛用のベビーパウダーが早速手に入った。
お、なんかいいかも、町の手応え。


小路に入ると、そこはいきなり私が探し求めていたマーケットだった!
小さな商店がひしめいて、雑貨屋やら、靴屋やら、金物屋やら、
ドレス用の生地屋やらサリー屋やら、
奥へ奥へとどこまでも店が連なっている。
細い道を人々が行き交い、
ジュースやらスナックの屋台でみんな夕暮れ時の空腹を満たしたり
露天で果物を買い求めたりしていた。
そして夕刻のお祈りの時間らしく、
ヒンドゥー寺院から鐘の音が響いていた。
人々の生活のにおい、音。
私も人々に紛れて買い物したり、
途中、屋台でスナックのプレートを注文したり。


歩いていると、
今がシーズンのマンゴージュース屋があった。
小学生くらいの子供3人と、青年がすでに注文して待っていた。
私も1杯注文。
ミキサーでマンゴーピューレを作り、
ミルクと氷と砂糖を加えてさらにミキサーを回す店の旦那。
それを固唾を飲み込まんばかりに見つめる子供たち。
出来上がったマンゴージュースは
旦那によって、グラスなみなみにちょうど5杯に注がれた。
インドのマンゴージュースは
最後にココナッツパウダーやカシューナッツの荒く砕いたのや、
レーズンやドライチェリーなどのトッピングを載せて出来上がり。
子供たちはそれぞれ、ドライチェリーは載せないで、とか
好みを旦那に注文、
子供たちが口々にマイオーダーを言うから
旦那が
レーズンいる人は?ココナッツは?と
注文を聞きながら振りかけていた。
微笑ましくてちょっと笑ったら、
子供の一人がくるりと振り返って目と目が合った。
1杯10ルピーのしあわせ!


すっかり暗くなってから家路に着いた。
ずっと買い換えたかったサンダルと、
ステンレス製のインド式ランチボックスと、
ライチ500gを買った。
今度はドレスの生地を買いに行こう!
今ひとつ馴染めずにいたグルガオンが
一気に好きになった。