ポンディチェリー〜マハバリプーラム(2)

予約したはずの宿が満室だったので、悩む余地も無く宿探しを
することになった。
その宿があるRangapillai St.には、他にも何軒かホテルやロッジが
あったんだけども、聞くたびに満室と断られ、
それでようやく、ポンディチェリーはひょっとして観光のハイシーズン
なんではないだろうか?と思い当たった。


狭いポンディチェリー市内は、京都のように整然と通りが並んでいて
宿の多い通りを歩いて、手頃そうな宿を見つけるたびに立ち寄って
空きを尋ねたけど、どこにも空き部屋がなかった。
太陽はどんどん昇って、朝の涼しさが温かさに変わり、
だんだん陽射しが強まって肌がじりじりと焼かれるくらいになった。
バンガロールよりも暑いなと感心している場合ではなく、
疲れてきたのに宿が見つからないという困った状態であった。
これは宿を選んでる場合ではないなと思い、
古そうな宿やちょっぴり金持ちそうなインド人ファミリーが宿泊するようなホテルも
視野に入れて宿探しをすると、案外チラホラ見つかった。
でも造りが古い上に暑苦しい部屋なのに、困っている客(私)の足元を見て
部屋代を高く言ったり、
小ぎれいで、これだったらまあ850ルピーくらいかなーというホテルなのに、
1300ルピーとかで、
うーん、そこまで出す価値があるのかなーよしもうちょっと見てから決めよう、
なんて思ってるうちに、
やっぱりさっき見せてもらった部屋を取ろうと戻ったら、
もう空きがなくなったりして、お昼になっても見つからないで
リュックを背負ってぶらぶらしていた。


フランス領の名残かどうか知らないけど、フランス料理屋が数軒ある通りに行った。
その近くに外国人が好みそうな静かで小ぎれいな感じのカフェのようなのがあったので
そこに入って軽く食事をとった。
スムージーなどという小じゃれたものがあったので頼んだけど、なかなか美味しくてニヤニヤしながら飲んだ。


そういえば、朝降り立ったバススタンド周りにも
ビジネスホテルのようなのやらいろいろ並んでたなと急に思い出し、
ポンディチェリーの繁華なところから離れた場所にあるバススタンド周りに戻ってみた。
すると、<Yatri Niwas>と書かれた矢印の絵付きの古ぼけた看板が目に留まった。
Yatri Niwas(ヤーットリ・ニワース)というのは、ヒンディー語で「宿舎」、
おもに政府経営のリーズナブルな宿を指す。が、古ぼけたものが多い。


看板の矢印に従ってバス通りから小道に入ってしばらく歩いても
なんかそれらしいものがないので、心配になって人に聞いた頃に
宿に辿り着いていた。
開口一番、部屋は空いてますか?と尋ねると、
白髪交じりの受付のおっさんが、1つだけある、と言い、
続けて、その部屋は実は予約が入っているのだが、
あと30分で14時になる、それまでに来なければキャンセルにするから
その部屋を取ればいい、と言った。
とりあえず部屋を見せてもらった。
やはり古ぼけていたけど、250ルピーと言うので納得。
部屋を見終え、受付のおっさんに促されるままに
受付前に並んだソファに腰掛けてようやく落ち着いてしばらく休んだ。
休んでいると、おっさんが大きな扇風機を押してきてつけてくれた。


14時10分前になるとおっさんが宿泊の手続きを始めた。
もう予約した人はキャンセルになされたらしい。
かくして、ようやく泊まる部屋が見つかった。




上:宿探しの途中、海岸通で北向きに立って写真を撮ったところ。
中:こちらは南向き。ビーチはなく、海岸線に岩が置いてあります。朝撮った写真なので、あまり人がいなかったけど、夕方は人口密度が高くなります。
下:灯台。じつはポンディチェリーのシンボルらしいが、前回来たとき見逃したので、今回はばっちり写真に収めました。


部屋に荷物を広げ、シャワーを浴びて一休み。服を着替えて夕方、日が沈む頃にまた外に出た。
そしてポンディチェリーの繁華なところに戻り、海岸通りをふらふらした。
知らなかったのだけども、インドはどうやら「子供の日」らしく、
海岸通りは家族旅行で来ているらしいインド人でごった返していた。
どおりで宿が見つからなかったはずだ。
海岸通は歩行者天国になっていて、政府経営のカフェらしい建物から、大音量のインド音楽が流れていた。
すぐ近くの砂浜には空気を入れたビニールの大きな滑り台が設置され、
子供たちがよじ登っては滑り降りていた。


遠くから見えていた海岸沿いにある真っ白な建物は、何やら外国人旅行者で賑わう雰囲気のいいカフェだった。
ビーチのど真ん中に建っているかたちのその建物は、どうやら政府経営らしい。
政府経営というと野暮ったいイメージがあるけど、その建物はインドっぽさが全然感じられなかった。
もしかしたらもともとフランス政府のものだったものが、インド政府のものとなり、
カフェにされたのかもしれない。
そこで、スモークサーモンのバゲットサンドを食べたけど、出てくるのが遅かった上に
味が悪くてひたすら残念だった。


店を出て、明日はポンディチェリーからバスで3時間くらいの場所にある
マハバリプーラムに足を伸ばそうと旅程を練りながら町を歩いた。 
また海岸のほうへ出ると、さっきのカフェの建物の屋上でアーティストが歌を歌っていた。
1階建ての建物の屋上なので、ちょっとした特設ステージみたいになっていた。
あいかわらずビーチ沿いは、観光客でごった返している。
しばらくの後、宿に戻った。


写真上:ビーチ沿いではないけど、帰りに通った、デコレーションされた公園。
インドはお祭りのときにこういう電飾で派手にデコレーションするのが好きです。
たしかに、なんか楽しい気分になります。
写真下:同じ公園の一角。夜でも賑わっていました。